ラージサイズのモデルは現行で2系統ある、単純にビクトリノックス系とウェンガー系だ。
名前に「レンジャー」と付けば130mmのウェンガー系モデルで、付かなければ111mmのビクトリノックス系モデル。唯一の例外は「ワインマスター」で、レンジャーとは付かないものの、130mmのウェンガー系のモデルだ。
その他に、125mmのウェンガーの旧レンジャーシリーズのモデル群があるので、それを合わせると3系統となる。
ラージサイズのモデルは、ラインナップに現行の軍用モデルが含まれているのを見てもわかる通り、頑丈でヘビーな使用にも耐えられるように作られている。
必然的に大きくゴツくなっているため、ミディアムサイズのモデルに比べて格段に重くなっており、複数レイヤーモデルはシンプルなモデルでも100gを軽く超えてくるため、ポケットに入れて持ち歩くには全く向かないことに留意しておいて欲しい。
ラージサイズのモデルは、3系統とも標準でメインブレードにライナーロック機構を備えていて、力を込めた作業を安全に行えるようになっている。また、ビクトリノックス系にもセレーション(波刃)モデルがある。
ビクトリノックス系111mmモデル
全長が111mmと3系統の中で最も短く、ビクトリノックスらしい、いかにも生産効率が高そうなデザイン。一応メインストリームとして位置付けてられており、スタンダードからマニアックなモデル、現行の軍用モデルまで各種用意されている。
ブレードロックの解除は、側面のスライドボタンで行うタイプと、ライナー自体を指でずらすタイプとがあり、現行軍用モデルでの採用以降、後者にシフトしているようだ。
ウェンガー系には無いピンセット&つまようじが多くのモデルに付くのも特徴だが、どうせならつまようじよりも他のツールにして欲しいものだ。(カスタマイズはできるが)
全長がウェンガー系よりも少し短いためブレード等も短くなるが、扱いやすいサイズだと思う。
ウェンガー系130mmモデル
ビクトリノックス系より全長が約2センチ長いので、必然的に少し重くなる。
元々のウェンガーのモデルを、ブレードのロック解除ボタンでもあるロゴマークをビクトリノックスのそれに替え、缶切りとリーマーをビクトリノックスのものに変更して販売されている。
この系統のモデルには大型のペンチやハサミを含んだモデルがあり、スイスツールやレザーマンといった「ペンチ形」のツールが好きではない人にとっては非常に有力な候補となる。
ツール類はビクトリノックス系と大差はないが、流麗なブレードにスマートで握りやすいグリップ部と、デザインはウェンガー系の方が断然素晴らしいと思うが、スケール(ハンドル)が少々分厚過ぎる気がする・・・女性をはじめ、手が小さい人(私含む)には少々握りにくいかもしれない。
ウェンガー系125mmモデル
130mmモデルに切り替わる前に発売されていたモデルで、130mmモデルと共通のパーツも多い。
なお両者を並べてみるとよくわかるが、5mmの差はほぼグリップ部の差であり、ツール自体の大きさは同じと思っていい。(ノコギリなど全く同じ)
外見上の最大の違いはメインブレードで、130mmモデルが滑らかなドロップポイントなのに対し、125mmモデルは全てクリップポイントとなっている。
またブレードロックの解除ボタンが、130mmモデルが側面のボタン(ロゴマーク)を押すのに対し、125mmは130mmモデルとは反対サイドのスライド式ボタンで行うようになっている。
2007年に生産が終了しているモデルだが、大きさといいグリップ形状といい、この125mmモデルが一番握りやすいと思う。
頑強な造りなので、最新モデルに遜色なく現役で使えるため、手に入るのなら選択肢に入れて全然OK。
イチオシは4レイヤーの「エベレスト」だ、130mmモデルの3レイヤーとほぼ同じ厚さで、スモールサイズのプライヤーが非常に便利だ。
どれを選ぶか?
用途に合っていれば、どれを選んでも問題無いだろう、古い125mmモデルであっても全然現役だ。
注意点として、いくらラージモデルであっても、本当にヘビーな作業には向かないということだ。
所詮は折り畳みナイフであり、そして折り畳みナイフに本当に丈夫なモデルなど存在しない。
間違ってもシースナイフのように「バトニング!」とかバカな使い方はしないように。